三重県の塩害対策|海沿い地域の外壁塗装で知っておくべきポイント
三重県松阪市を中心に外壁塗装・屋根塗装・防塵塗装・防水工事を手掛ける永戸塗装です。三重県は伊勢湾と熊野灘に囲まれた海岸線延長約1,083kmを有する海洋県であり、特に海沿い地域では塩害による建物への影響が深刻な問題となっています。海岸から5km圏内の住宅や建物では、塩分を含んだ潮風により外壁塗装の劣化が通常より2~3年早く進行するため、適切な塩害対策が不可欠です。
今回は、三重県の地理的特性を踏まえた塩害の基本知識から、効果的な対策方法、推奨塗料まで、海沿い地域の外壁塗装における重要なポイントを詳しく解説いたします。
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塩害とは何か?三重県の海岸地域で起きる現象
塩害とは、海水に含まれる塩分が潮風や飛沫により建物に付着し、コンクリートや金属の腐食、塗装の劣化を引き起こす現象です。海岸から数km以内の地域では、日常的に塩分を含んだ空気にさらされることで、建物の耐久性が大幅に低下します。
▶塩害発生のメカニズム
塩害は以下のプロセスで発生します。まず、海水の蒸発により空気中に塩分が混入し、風によって内陸部へ運ばれます。この塩分を含んだ潮風が建物の外壁に付着すると、塩化物イオンが塗膜や建材内部に浸透し、化学反応により腐食が進行します。
特に台風などの強風時には、海岸から遠く離れた内陸部まで塩分が飛散し、通常は塩害の影響を受けない地域でも被害が発生する場合があります。
▶三重県の塩害リスク地域
三重県は伊勢湾と熊野灘に面しており、海岸線延長は全国8位の約1,083kmに及びます。伊勢市二見町の神前岬を境として、北部の伊勢湾沿岸と南部の熊野灘沿岸に大別されます。
重塩害地域
海岸からの距離:500m以内
主要エリア:四日市港周辺、津松阪港周辺、鳥羽市沿岸部、志摩市沿岸部
特徴:直接的な波しぶきや強い潮風の影響を受け、建物への塩害被害が最も深刻
塩害地域
海岸からの距離:500m~2km以内
主要エリア:桑名市、四日市市、松阪市海岸部、伊勢市、尾鷲市、熊野市の一部
特徴:風向きや地形により塩分の影響を受けやすく、定期的な対策が必要
塩害による外壁塗装への具体的被害
塩害による外壁塗装への被害は段階的に進行し、初期症状を見逃すと修繕費用が大幅に増加します。海沿い地域では通常より2~3年早く塗膜の劣化が始まるため、定期的な点検が重要です。
▶塗装劣化のプロセス
塩害による塗装劣化は以下の順序で進行します。
第1段階:色褪せや光沢の低下が発生
第2段階:チョーキング現象(白亜化)が出現
第3段階:塗膜の膨れや剥がれが始まる
第4段階:下地材への塩分浸透で構造体に影響
チョーキング現象は、外壁を手で触った際に白い粉が付着する症状で、塗膜の樹脂が紫外線と塩分により分解されて起こります。この状態を放置すると、塗膜の防水機能が失われ、建物内部への水分浸入リスクが高まります。
▶金属部分の腐食
外壁に取り付けられた雨樋、換気口、エアコン室外機などの金属部分は、塩害により急速に腐食が進行します。特に鉄系の素材では赤錆が発生し、最終的には強度低下により破損に至る場合があります。
アルミニウム製品についても、表面の酸化皮膜が塩分により破壊されると、孔食と呼ばれる局所的な腐食が発生し、穴が開く恐れがあります。
塩害に強い外壁塗料の選び方

塩害地域での外壁塗装では、耐塩性と耐久性に優れた高性能塗料の選択が重要です。初期費用は高額になりますが、長期的なメンテナンス費用を考慮すると経済的なメリットが大きくなります。
▶フッ素系塗料の特徴
フッ素系塗料は塩害対策において最も一般的に使用される高性能塗料です。フッ素樹脂の強固な分子結合により、塩分や紫外線に対する高い耐性を発揮します。
耐用年数と費用
耐用年数:15~20年
施工単価:3,500~5,000円/㎡
特徴:優れた耐候性と自己洗浄機能を持つ
適用範囲
推奨地域:塩害地域~重塩害地域
適用建物:住宅、商業施設、工場
効果:塩分付着の軽減と長期間の美観維持
▶無機塗料のメリット
無機塗料は、セラミックなどの無機材料を主成分とする最高レベルの耐久性を持つ塗料です。有機材料を含まないため、塩分や紫外線による劣化がほとんど発生しません。
特に重塩害地域では、無機塗料の採用により20~25年の長期間にわたって建物を保護することが可能です。初期投資は高額ですが、塗装回数の削減により総合的なコストパフォーマンスは優秀です。
効果的な塩害対策・メンテナンス方法
塩害対策は塗装だけでなく、日常的なメンテナンスとの組み合わせにより効果を最大化できます。特に台風シーズン後の適切な処置は、塩害による被害を大幅に軽減します。
▶定期的な洗浄
外壁に付着した塩分を除去する最も効果的な方法は、真水による洗浄です。月1回程度の頻度で、ホースによる水洗いを実施することで、塩分の蓄積を防止できます。
高圧洗浄機の使用は塗膜を傷める可能性があるため、低圧での使用または手洗いを推奨します。
台風や強風後は、24時間以内の洗浄が効果的です。
洗剤の使用は塗膜に悪影響を与える場合があるため、真水での洗浄を基本とします。
▶塗装サイクルの調整
塩害地域では、通常の塗装サイクルより2~3年短縮した計画を立てることが重要です。一般地域で10年の耐用年数を持つ塗料でも、塩害地域では7~8年での塗り替えを検討する必要があります。
定期点検を年2回実施し、チョーキング現象や塗膜の劣化が確認された段階で、早期の塗装工事を計画することで、建物の長寿命化と総合的なメンテナンス費用の削減が実現できます。
適切な塩害対策で建物の資産価値を守る
三重県の海沿い地域における塩害は、適切な対策により十分に防止・軽減することが可能です。フッ素系塗料や無機塗料などの高性能塗料の選択、定期的な洗浄とメンテナンス、そして地域特性に応じた塗装サイクルの調整により、建物の美観と機能を長期間維持できます。
塩害対策は初期投資が必要ですが、建物の資産価値維持と長期的なメンテナンス費用削減を考慮すると、経済的メリットは明確です。専門的な知識と豊富な経験を持つ塗装業者との相談により、お客様の建物に最適な塩害対策をご提案いたします。

塗装工事の見積もりは三重県松阪市の業者『永戸塗装』へ
永戸塗装
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